出張のお供にどの単行本を持って行こうと考え、一番軽いとの理由で
向田邦子の『父の詫び状』を持っていった。
空港での待ち時間や機内の細切れ時間に読むには、
そして今の私の気分にぴったりのエッセイだった。
向田邦子の本を読むと、彼女の人生の豊かさに驚かされる。
それでも、ひとつひとつのエピソードに「分かる」と思う気持ちや
体験したことないけど共感できることがたくさんあることを
考えると、彼女の人生が特別ドラマチックだったわけではないと思った。
彼女は、些細な出来事や出会いを捉える特別な“目”を
持っていただんだと思う。
私の好きな映画『アメリカンビューティー』の脚本家もメイキング
ビデオの中で「人生の美しさを知るには、それに気づく“目”を
育てなくてはいけない」と言っていた。
節穴の目と心では、自分の周りを通り過ぎていく色んな美しさに
気づく事ができない。
どうやったらその“目”を育てることができるのか分からないけど
出張中に駆け足で読んだ向田邦子の本で、人生の美しさが何か
少し分かったような気がする。
疲れている今の自分のよどんだ目が、少しだけ視界良好になった。
曇天、極寒の北京。湖も凍る寒さ |
2 件のコメント:
出国のお供に、田辺聖子のエッセイはいかが? すっごく粋で、おまけに恋がしたくなるおまけ付き! 個人的には「孤独な夜のココア」がおすすめ。
まっきん
田辺聖子は知らなかったけど、「孤独な夜のココア」は何か聞いたことある気がする!早速アマゾンで注文して、お母さん特急便で中国に送ってもらうよ。ただ、この地で無性に恋したくなったら、ろくでもないのに惚れそうで怖いけど。
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