2012年6月17日日曜日

SHAME

セックス依存症の男の映画。http://shame.gaga.ne.jp/ 
『SHAME』はアンタッチャブルなテーマなのに、
誰もが感じる認めたくない人生の悲しさが痛いほど伝わる映画だった。

恐らく過去に何かあって依存症になったNYのエリートサラリーマンの
コントロールできない欲望と、大切なものと向き合えない悲しさで
胸がずーんと痛くなる。鈍痛。

内容は鈍痛だけど、全体的に青みを帯びた色調(光調?)と
終始クラッシック音楽が使われていることで、映画全体がシャープで
きりっとしている。
特に主人公のBrandonが、妹とのけんかがきっかけで
自分の欲望を破滅的に満たそうと、夜の街を彷徨い歩いて
男娼を求め、ゲイクラブに入っていく場面で、サイケデリックな
クラブ音楽に、BGMのクラッシック音楽が重なるところが素晴らしすぎる。

自分でコントロールできない欲望に支配されて、自分を壊してしまうような
行動をするBrandonに、依存症になったことがある人はもちろん
そうでない人でも、十分に理解できる部分があると思う。
程度の差はあれ、自分の精神に追いつめられて、破滅的になったり
大切なものを、大切にできないことって結構よくあると思うから。

それにしても、この映画すごかった。
2012年に見た中では、間違いなくNo.1だったわ。
主演のマイケル・ファスベンダー、妹役のキャリー・マリガン
そして2008年のカンヌで新人監督賞を受賞した新進気鋭の
スティーブ・マックイーン監督。
マイケルはアイルランド出身、キャリーとマックイーン監督は
イギリス出身。なのはあまり関係ないかもしれないけど
3人のチームワークがすごすぎる作品でした。





監督、キャストはアイルランド&イギリスだけど、撮影はニューヨーク。
マックイーン監督いわく、欲望が一番似合うのはニューヨークらしい。
そういえば最近レム・コールハースの『錯乱のニューヨーク』を買った。
現代建築の巨人コールハースが、超過密文化のメトロポリタン・マンハッタンが、
人間の欲望によって作り上げられていった過程に迫る。
10月にニューヨーク行くからそれまでに読まないと。

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