2016年1月4日月曜日

力士に対する距離感

巡業や後援会の催し物など、力士との距離が近いイベントに行くようになって、
大相撲ファンとして力士や国技に対するマナーや節度を考えるようになった。

というのも、最近デーモン閣下とやくみつる氏の対談をまとめた本、
『勝手に大相撲審議会』という本を読んで、相撲協会からも認められた
相撲ファンである二人が、最近のファンの応援スタイルについて、
苦々しく思っていることが書かれていたから。

二人が指摘するのは、四股名のコールとプラカード。
私が国技館で観戦していてもうるせーなーと思うのが、稀勢の里の地元後援会の
稀勢の里コール。リーダーのじーさんが立ち上がって、後援会のメンバーだけでなく、
周囲の関係ない人にまで、コールをするよう煽っている。
外国人観光客など、よく分かっていない人は盛り上がっていると思って、
一緒に手拍子をしてしまう。

私は稀勢の里の大ファンなので、余計にこの応援を見苦しく、聞き苦しく思ってしまう。
各界きっての硬派力士がこの類いの応援を喜んでいるのだろうか。
国技館で観戦する日に、あのオレンジの法被集団がいると、うわーと思う。
あのコールのせいで、相手力士がかわいそうになり、私が一番楽しみにしている
稀勢の里戦を集中して観ることができない。
応援するのはいいけど、一人ずつ四股名を叫んでくれ。
そして、関係ない人に手拍子を求めてくれるな。

あと、巡業や後援会のイベントに参加すると、
力士への距離感に節度がない人が若干目につく。
巡業で激しい申し合いや三番稽古の後、
引き上げていく力士にサインをもらおうとするファン。
当然「今はすみません」と断られる。
後援会のイベントで、横綱の方に平気で手をまわして注意される人。
「お相撲さん」は強くて優しい身近な存在って気持ちは分かるけど、横綱よ。
知らない人と写真撮るとき、いきなり肩に手回さないでしょ。
しかも横綱に。相撲の歴史を勉強すると相撲界が守ってきた、
横綱という地位、名誉の神聖さが分かるので、横綱に馴れ馴れしくするなんてことは
できないと思うんだけどな〜。

あと巡業でさらにいただけないと思うのが、ファンと力士のセルフィー。
写真を撮る人がいなくて、セルフィーになってしまうのは仕方のないことかもしれないけど、
力士が高校生のようなセルフィーを、ファンと撮って、
しかもそれをファンによってSNSにアップされている。
その写真を見たSNSのユーザーが、「いいなー」とか「○○優し〜、かわい〜」と
思って、Retweetしまくって、その画像がどんどん広がっていく。
これは本当に私的見解だけど、セルフィー画像って力士の品位を下げる気がする。
人によっては、ファンサービスのよい力士だと思う人もいるだろうし、
これだけスマホとSNSが普及した世界ではあたりまえの流れなのかもしれない。
でも、硬派な相撲界と力士が好きな私はやっぱりちょっと・・・と思ってしまう。

私だって、両国近辺に住んでいると大好きな力士や親方を見かけることが多い。
元大関・魁皇の浅香山親方を見かけた時、周りに誰も人がいなかったので、
握手だけしてもらって、ツーショット写真はお願いしなかった。
いくら大ファンで、ツーショットを撮って、SNSにアップしたくても、
小娘の私が浅香山親方にセルフィーに一緒に写ってもらうなんて、無礼すぎてお願いできない。
それは親方が成し遂げてきた偉業に対する尊敬があって、
ツーショット写真はおろか、セルフィーなんてお願いできる訳がない!から。

と長々と自分がまるで硬派であるようなことを散々言っておきながら、
私のfacebookは力士とのツーショット写真だらけです・・・。
力士と写真撮れると嬉しいよね・・・♪でも何かファンサービスを頼む時は、
相手に対する配慮と尊敬を持たなくては、といつも思っている。

どうしてもツーショットが撮りたければ、国技館のハリパネで。

2016年1月2日土曜日

巡業・南阿蘇場所

2015年の5月場所で初めて大相撲を見て以来、すっかり相撲にはまり、
相撲と名のつくもは全て見る!と鼻息荒く、8月には福島・南相馬で開催された
巡業・南相馬場所に行ってきた。
(相撲と名がつけば、現役時代を知らないのに、
豊真将の引退相撲のチケットも買ってしまうほど)

怪我人以外の幕内、十両、幕下以下の大勢の力士、ほぼオールスターを
間近で見て、しかも握手やツーショット写真までお願いできる本場所とは違った
巡業の楽しさにはまってしまい、12月にはまた巡業を見るために熊本に行ってきました。

巡業だけではもったいないので、別府→湯布院→阿蘇のコースで
旅行もついでにしてきました。
8月の南相馬場所の時も、岩手県の大船渡からレンタカーで南相馬まで
被災地を訪れる旅行をしながら、最後に南相馬の巡業を見る、というコースだったけど、
これが最高に楽しかったので、今回の巡業も大分で温泉を楽しんで、
最後に阿蘇で巡業を見て、フィニッシュするという行程に。

まず、1日目は別府。
別府で温泉入りまくり、豊後牛食べまくり、関サバ・関アジ食べまくり。
スナックで飲みまくり、やっぱり私は九州が一番好きだ!

別府市街にある別府タワーは、東京タワーと同じ建築家によって建てられたようで、
建立当時はなかなかの人気ぶりで、当時の横綱一行も別府タワーで土俵入りを
見せたよう。その時の写真が残っていた。

別府タワー。温泉街に馴染むデザインですごくいい感じ。

時の四横綱、右から千代の山、吉葉山、栃錦、鏡里
昔は何かと言えば、時の横綱が土俵入りをするほど、
日本に相撲人気が根付いていたんだなー。
別府から阿蘇に向かう途中の湯布院。ちょうど頂上に雪が。
ちょうど、別府から湯布院に向かう途中、12月5日から2016年初場所の
チケット販売が始まったため、湯布院のまだ開店していない喫茶店で
相撲ピアでリフレッシュ、リフレッシュしまくって、なんとか中日の枡席を確保!

そして、ついに南阿蘇場所!

南阿蘇場所は呼び出し・照矢さんが寄せ太鼓
巡業開場の8時には伊勢ヶ濱部屋の呼び出し・照矢さんが寄せ太鼓を打つ。
まるで国技館で本場所が始まるような太鼓が鳴ったら、稽古開始!

黒まわしと白まわしが入り乱れる巡業の稽古
 私は巡業で幕下の力士と十両+幕内のやる気のある力士が一同に
入り乱れる稽古の風景が大好き。
これだけの大人数でがんがん稽古しているところは巡業でしか見れないと思う。

十両の稽古で息も絶え絶えの旭大星と英乃海

朝赤龍との三番稽古で体がpump upされた貴ノ岩
今まで貴ノ岩に対する印象はあまりなかったけど、今回の巡業でものすごい
稽古を頑張っていたので、巡業を見て以来貴ノ岩ファンになりました。


かねてからのファンである富士東が十両力士稽古の後に、四股をゆっくりと
踏んでいたので、これはサインをもらうチャンスだ!と思って、富士東に接近。
大相撲ジャーナル11月号の部屋訪問コーナーが玉ノ井部屋だったので、
そこにサインもらいました!
富士東にサインを頼んだら、彼はまだその記事を読んでいなかったらしく、
「これ読んでもいいっすか?」って聞いてきて、それを読んでいる間、
近くにいた勢と御嶽海が近寄ってきて、なんと富士東と一緒に、
大相撲ジャーナルを読み出したのですー!!!
人気関取三人に囲まれ、天にも昇気分。
しかも握手会では、天鎧鵬と正代による熊本県サンドウィッチ。
握手会では正代とツーショットを撮ろうとしたら、
「せっかくだから真ん中に」と正代が促してくれて、
天鎧鵬と正代による熊本サンドウィッチに。

他の幕内力士が談笑をする中、ひたすら一人で準備運動に打ち込むきーちゃん
付き人のガードも固い中、最大限稀勢の里に近づきました!
稀勢の里はいつも通り、一人で準備運動に励む。
格下の力士より先に来て、土俵の下で十分準備運動をして、
幕内の稽古が始まると、いつの間にかいなくなっている稀勢の里。
孤高の大関、稀勢の里。こんな土俵態度や相撲に対する考え方が
みんなが稀勢の里を応援し続ける理由だと思う。
稀勢の里がどんなに大切な一番で負けたって、裏切られたと思わない。
稀勢の里にはそんな力が備わっている。
昔の相撲をリアルタイムで見たことがないけど、昔ながらのお相撲さんが
好きな私にとって、硬派な力士を体現する稀勢の里は、
この時代にいてくれるだけで、ありがとうって思う存在。

なぜか最後は稀勢の里の話で終わってしまったけど、
改めて稀勢の里の魅力にやられた巡業でした。