2012年8月27日月曜日

領土問題の本質

日中関係が尖閣諸島問題で騒がしかった先週、上海はいつもと変わらぬ日常。
なんだか毎年のように尖閣諸島が問題になっているけど、今回は日本での反応が
いつもと違ったのでは?という感じ。
facebookやTwitterを見ての雑感だけど、今回の領土問題に反応した人は
いつもより多かったように感じる。もちろん韓国の竹島問題や天皇謝れ発言が
火に油を注いでいることもあるけど、今回の問題で日本国民は領土問題について
中国、韓国とどのように対峙していけばいいか、考えるようになったと思う。
この件で私が思ったこと。

■領土問題の本質
香港はイギリスから返還されて以来、香港の統治権を大陸(中国本土)に
侵されるのを非常に危険視しており、香港返還15周年の今年は香港の
民主化を守る運動、大陸批判運動が頻繁に起こっていた。
加えて、香港は大陸に比べると親日家が多く、反日思想が薄い。
この反中国政府、親日な香港が今回の尖閣諸島問題をリードしている。
しかも驚いたことに、今回上陸した活動家の2名は、中国政府から香港の
民主政治を守るため活発に活動している代表的な活動家とのこと。

私達日本人はこれまで、領土問題、反日思想は国内統治のために使われている
と思っていたところがあるが、問題の真相は違った。
親日派、反政府派の香港人活動家が、尖閣諸島の領有を主張する、
つまり、「親日」「反政府派」と「尖閣諸島領有の思想」は共存する。
中国、韓国で反日思想が国内統治に使われていることを元外交官の佐藤優が
大分前から指摘していたけど、この問題は新たな局面に入っていると思う。
領土問題が国内統治に利用されていたのはもう過去の話。
親日派で民主化を支持する反政府派の中国人が、尖閣諸島の領有を主張した時
日本政府は、日本国民はこの問題にどのように取り組むのか。

■日本政府、国民の問題点
はっきり言って、今の日本政府がこういった外交問題に取り組めるのか疑問。
韓国大統領の天皇発言に対して「聞いていないから分からない」と言ったり
世論で散々騒がれてから声明を発表したり、対応の悪さがかなり目立つ。
今回の尖閣諸島問題で、中国政府はすぐに「領土問題については強く領有を主張」
しながら、国民には「冷静に行動し、デモや日本製品不買運動など反日行動は
控えるように」と「領土問題と経済活動は一緒に考えられるべきではない」との
考えを発表している。
日本政府はなぜこういった対応がすぐにできないのか。
領土問題の本質が見えていないから、相手の主張のどの部分に
どのような反論をすべきかが分かっていない。
だから主張や見解に説得力がなく、軸がない。

今後経済の中心がアジアに移り、中国、韓国、その他アジア諸国が
力をつけていく中、日本はこの政府でどうやって世界で立ち位置を築いていくのか。
この政府を選んだのは私たち国民。
国民が政治を変えることが現実問題として求められている気がする。



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