2012年10月15日月曜日

南新彊シルクロードの旅6日目:クチャ

6日目は南新彊の旅、実質最後の都市クチャ郊外と市内の観光。


カシュガルからホータン、ホータンから砂漠公路でクチャへ。
クチャで観光を終えたら、南彊鉄道という天山山脈の中をクネクネと
走る寝台列車で新彊の首都・ウルムチへ向かう予定。

クチャ観光一発目は、天山神秘大峡谷。スケジュール表には
「赤い岩山の大迫力」とある。


うん、確かに赤くてでかい。観光客はけっこう多め。と言っても上海や北京と
比べたら全然少なくて、気分が萎えるほどではなかった。
中国人ってこういう観光地で写真撮る時、面白いポーズをする。
大仏のポーズしたり、お祈りのポーズしたり、写真は直立不動の日本人からすると
やや滑稽に見えるけど、私もどちらかというと変なポーズをとってしまう方なので
こんな風に見えてるんだと思った。


とにかくでかくて赤い岩が続く。
上の写真は真ん中の岩が判子に見える岩、らしい。見えないことないけど。
岩山の中にいる自分を撮りたくて、何度も自分撮りをするんだけど
全部見事に二重あごになる。。。この旅で3食きっちりお腹いっぱい食べるから
太ったのかも。旅の最初の自分撮りは二重あごじゃなかったのに。

神秘の大峡谷も1時間も歩くと、だんだん飽きてくるので
まだまだ先に進む同じツアー客のみなさんを見送って、私は引き返すことに。
団体行動に若干疲れて、一人で歩きたかったので、音楽を聞きながら
ずんずん一人で歩けるのは気持ちよかった。やっぱり旅は一人で歩く時間がないと。

大峡谷を見た後は、岩山に穴を掘りまくって、そこに仏と仏教壁画を
施したキジル千仏洞に行きました。
ここはなぜか写真を撮ってはいけないらしく、外から外観の写真のみ。


正面に見えるのが千仏洞。ここは日本語ができる専門のガイドさんが
色々解説しながらいくつかの窟を見て行きます。
仏教壁画は仏教の教えである輪廻転生を絵本風に書いているもので
それぞれありがたい(たまにばかばかしい)ストーリーがありました。
この壁画は赤、青、緑などの鉱物を溶かしたもので書かれたようで
2000年近く昔の壁画が今でもきれいにのこっていました。
とは言え、最初にこの石窟を発見したドイツ人が壁画の重要部分をはがして
ドイツに持って帰ってしまったらしく、ガイドさんは「ドイツがはがしました。
ドイツが持っていってしまった」と繰り返し言っていた。
まードイツ人が持ち帰らなくても、文革で紅衛兵がぶっこわしてたと思うので
ドイツ人に持ってかれた方が保存上はかえってよかったのではと思ったけど
どうやらドイツで保管されていたものも第二次世界大戦でかなり損失したとか。
ドイツに持ってかれなかった壁画も、金箔部分は遊牧民や紅衛兵に持ってかれた
ようで、無惨な状態になってました。それでも残っている部分はきれいな
壁画を見る事ができるので、行く価値はあると思います。

キジルの石窟を見た次は、スバシ古城遺跡。
ここもキジルと同じく4世紀くらいの仏教遺跡。この旅の観光の中で
一番のお気に入りスポット。


かなり風化してきれいに残っているところは少ないけどこの廃墟感がたまらん。
1500年前に何万にもの仏教徒が暮らした街。とにかくものすごく広い。
川を挟んで西と東に分かれていて、東は事前申し込みをしないと見れないようで
今回見たのは西側。西側から見る東側の仏塔は西よりも保存状態が良さそうで
次回は東側もぜひ見てみたいと思いました。
広大な遺跡をとことこ歩きながら、ここには住んでた人はどんな暮らしを
していたんだろう?とか、この穴には大仏でもあったのかなーなんて考えるのが
遺跡巡りの醍醐味じゃないでしょうか。

ここでちょっと新彊の遺跡話を。
タクラマカン砂漠の中には「楼蘭王国」という約2000年前から存在した
国の遺跡がある。この楼蘭王国の遺跡は、中国国内のツアーでは行くことが
できず、海外のツアーに参加しなくてはいけないそう。
トルファンから砂漠を突き進むのが一般的なアクセスのようで
この道中がとにかく大変で、ツアーにはガイド、ドライバー、医者、衛星電話と
帯同しなくてはいけない人&物がいっぱいで遅くとも半年前に申し込まなくては
いけない。しかもこの楼蘭遺跡の近くには、水が出現したり消えたりするため
「さまよえる湖」と呼ばれる 湖、ロプノールがある。
今は枯れているけど、2004年に一度復活したらしい。
いつか楼蘭遺跡も行ってみたいわい。(風の旅行社でツアーもあるみたい)

遺跡観光が終わったのは18時くらい。それでも今日の観光はまだまだ続きます。
クチャ市内に戻って、クチャのモスクを見学、さらに民家で新彊の家庭料理
(といってもいつものラグ麺とポロだが)、ナン作り体験が待ってます。

一般的なウイグル人の台所。
完成したラグ麺。やっぱり家庭のラグ麺が一番美味しい
新彊ピラフ・ポロをよそうお母さん
美しい新彊ディナーテーブル
ここんちの赤ちゃん。女の子だけどきれいな髪が生えるようにと丸刈り
一般の家庭でごはん食べさせてもらうなんて、個人ではよほど
図々しくない限り難しいので、ツアーでよかったなーと。
でも次回の新彊旅では、ヨネスケの隣りの晩ご飯よろしくゲリラ的に
一般家庭を訪問してみたいものだ。
ここではナン作りも体験して、自分で作った焼きたて熱々のナンを
はち切れそうな腹にぶっこんでやりました。表面にまぶしたゴマとタマネギが
香ばしくておいしかった〜。

夜ご飯を食べたら、23:49発の寝台列車まで時間があるということで
前日漢族のバザールに連れてかれ不発に終わったクチャのバザールに
繰り出すことになりました。

最後のシシカバブを食べた店。
色んな種類のナンがいっぱい
羊の臓物煮を売るお母さん
前日に行ったバザールだと思っていたところはやっぱりバザールではなく
「クチャ全然おもしろくない!」と言い放ったままで終わらないで良かった。
羊など動物はいないけどクチャのバザールも面白かったです。

バザールを見物したら、前日宿泊したホテルに戻って
ロビーで荷物の整理をしたり、トイレを借りて顔を洗ったり、歯を磨いたり
各自寝台列車の旅に備えました。

クチャの列車駅は薄暗い中に、乗車人数に比べると明らかに少ないベンチが
あり、発車まであと1時間はあるというのにベンチ争奪戦の様相を呈してました。
ベンチに荷物を置いたり、3席使って横になって寝ているフトドキものがいて
けしからんと思っていたら、駅員が片っ端からものすごい口調と表情で
「荷物を降ろせ、ここで寝るな、さっさと片付けろ」と注意してくでは
ありませんか。しかも実行されるまで見届ける念の入れよう。
お陰で私達も座ることができ、予定の出発時間をちょっと遅れて
ウルムチ行きの寝台列車に乗車しました。

カシュガル発ウルムチ経由ハミ行き?
観光で大忙しだったけど、新彊の魅力いっぱいの楽しい1日でした。
これから17時間かけてウルムチへ。人生初の寝台列車。
トイレがかなり不安だけど、これも体験。
次回は、南彊鉄道・寝台列車での1日とウルムチ雑感をお届けします。

2 件のコメント:

ゆきんこ さんのコメント...

旅行にいったところの知識がたーくさんあるのは、
そこでちゃんと見たものを覚えてるから??
それとも行く前にちゃんと調べてるの??
あたしはそこが今イチのようで楽しさが半減している気がする・・・

Yukinka さんのコメント...

今回はガイドさんが全部説明してくれたから覚えてたの。やっぱ歴史系のものを見るときはガイドさんいた方がいいね。今回特に勉強してなかったから、今はシルクロードの復習中。